地球がわかる50話 (岩波ジュニア新書)

なんとなく読むというより、「知りたいことがある」ときには読書というよりも調べ物や勉強というジャンルになるかと思いますが、調べ物や勉強を行うときに一番便利なのは教科書でもなく、ネットでもなく各出版社から中学生、高校生向けに出版されているプリマー新書だと思います。

今、多くの人が知りたいことが地震について、もしくは原子力についてかと思いますが、今回は前者。


地球がわかる50話 (岩波ジュニア新書)地球がわかる50話 (岩波ジュニア新書)
島村 英紀

岩波書店
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□地球の半径
地球は完全な円形では無い。これは地球が自転していて、遠心力が発生していることによるが、地球の中心から北極までの距離と、赤道までの距離は20キロ違う。
わずかな違いに感じるが、チョモランマの標高は9キロないのだ。

同様の理由で赤道直下は重力が弱い(遠心力が働いているため、差し引き分が大きい)大航海時代に振り子時計を赤道直下に持って行くと時間のズレが大きくなってすこし困ったらしい。(振り子は重力が弱くなると反復運動が遅くなる)

□陸と海
地表で陸の面積は30%、海の面積は70%だが、 陸の平均標高は840mで海の平均標高は
ー3730mである。


プレートテクトニクス
地震を起こす元凶とされているプレートの移動。プレートが動くと分かったのはつい60年前で、プレート移動説が説得力を持ち始めたのはここ30年のこと。
ていうか、それまで地震をどういう風に説明していたかが気になります。


震源がすぐにわかる理由
テレビで地震速報をみていて一番不思議なのは、震源が一瞬で表示されることでした。各地の地震計で測って計算しているんだろうけど、それにしてもかなり厳密に言い切るのが不思議でした。
それができる理由、地震の波には「押し波」と「引き波」があり、「どこで引いていて、どこでこれぐらい押している」というふうにデータが観測できるため、正確な位置を素早くはじき出せるとのこと。


地震が起きる理由
地震が起きる理由には「プレートの押し合い」ということがよく言われるが、結局のところ「岩盤が壊れる瞬間」に地震は起こっている。壊れる岩の大きさでマグニチュードが決まり、壊れた岩がどの深さにあるかで震源の深さは
決まっている。もちろん震源は岩がどこで壊れたかだ。



アゾレス諸島がすごい
アゾレス諸島という場所があり、地震学者には「3つのプレートが同時に生まれている場所」として有名だが、一般にはそれほど知られていない。(プレートが重なっているのではなく、生まれている)ポルトガル領。
そこいらへんに宝石が落ちていたり、地熱で料理が作れたり、なんかもう書いてある感じすごそう。


□世界で一番深い、人間が掘った穴
ロシアのコラ半島というところにある13キロの穴が一番深い。ドリルが動かなくなったり、工具を落としちゃって作業が中断されたり、大変な苦労をしながらやっていうご様子。20年以上掘り続けている。

ちなみに20キロというサイズはプレートの厚さの10分の1ぐらい。

ちなみに地球の、プレートより深い部分は地震の波が
伝える情報を解析して行っている。核の部分がドロドロの液体であることなどは、地震の波の伝わり方や屈折率などから割り出している。


地震観測所がどんな地域にもある理由。
地下核実験を探知するために国連が建設を推進していたことがある。


■プリュームテクトニクス
プレートテクトニクスに代わると言われてい理論。地球の中心部、マントルからマグマが上がって来てプレートを生成していることから、火山や地震の活動を説明しようとしている。


地磁気
地球の一番中心部である核。地球の磁場、すなわち羅針盤などで使う地磁気はここから出ている。
しかし、永久磁石ではこれほどの強さの磁力を持つことは到底ないために電磁石が磁力の源であると考えられるのだが、それ程の強烈な電気がなぜ核において発生しているのかはよく分かっていない。エネルギー源も、発電の原理も分かっていない。
つまり、地磁気はなぜ発生しているのか良く分かっていない。

地磁気の力はここ300年ほどで少しづつ弱くなっているのも分かっている。(あと2000年後にはなくなるペース)100万年前には地磁気の向きは逆だったし(過去の地球の歴史では1万年経たずに逆転した例もあれば、4000万年ひっくりかえらなかった例もある)


■核
核は謎だらけである。まず液体か固体かなのかもはっきりとは分かっていない。液体の部分を外核といい、固体の部分を内核と呼ぶが、成分は非常に比重の大きい金属が混ざり合っているとしか分かっていない。どういう影響力をもっているのかもあいまいだ。

液体部分がどのように流動するかで地磁気が傾くと言われるし(実際年間60mぐらいズレてるらしい)
プリュームというマグマのようなものが地表近くまで上昇する量が増えれば温暖化が進むとも言われる。